「手のひら」

何も生まないこの手のひらが
傷つけることしかできないのなら
オレンジ色の夕日とともに
絶えてしまえばいいのだけれど
忘れられないぬくもりを
いまだに求めつづけてる
わがままな 無様な両手に
ちゃんと告別するために
もう一度だけ 抱きしめさせてと
祈りのことばをつぶやいて
やさしい痛みにしゃがみこんだ
君をよぶ あたたかいこどく

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