「朝」

もういらない
最初から満たされてるなんて
なんて悲劇

すこしの涙から生え出た
あたらしい芽吹きまで

黒く重たい緞帳に
おしつぶされてしまいそうだ
ぼくはまだ眠っていて

そそがれる
赤いものを零しつづけても
どこも痛まない
泣かないけど

塞いだはずの鍵穴から
染み出す音が ひどくつらい
こんな

もうだれもあいさないと
胸にきざむような朝には

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