「紺ぺき」

きみの瞬きがわらって
うさぎくんを撃ち落とした
コクピットでねむる
ささやかな月の喪

ひとりでも歩けるならと云って
兄上は目をお潰しになった
すごくやさしく泣いてた
はるかむかしの話

わすれてくださいね 楽園
濡れたつまさきに歪んでいた
あれは
くらいくらい海の底で
そっと息絶えてゆく影であったと

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