本当のことを語れなくて嘘になっても、それはべつによいと思う。
ひとつだけ代々伝わる魔法の名前を記すようにひっそり
存分、適当なことを語ればいいと思う。
それでぼやけるような環境はもとからなかったようなものだ。
世の中の人はだいたいそうして濾されていったけど、
だけどあなたは音のやまないプラグをくれたね。
思い出なんて、ごちゃごちゃしすぎて卑猥です
ほんとうは。
秋になって一年に一度だけ月のことを思いだすように
たまにしかそのことを考えなくても別にいいかなと思う。
だけど一度掘った井戸をもう二度とは埋められないように
たぶん一生のことだ。

20101020

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