「プリズム」

あの虹の麓をしっていた
空のひずみに分かつ以前の
無色のいろをしっていた

いつかをずっと祈りつづけた
何百年もむかしの星が
まさにいま、昇華していく
きみの願いを攫ってく

塞がるためのかさぶたを
剥いでばかりいるんだよ
くもりわたる空もすぐに
手のひらに抱く温もりが
ふきとばしてしまうよ

ふりそそぐ朝日がしみこむ
昨夜の傷を庇ったままでは
透きとおる視線から
すべて隠し通すなんてできないのに

もう、これ以上
どんな色を作ったらいいの
いびつな形でしか愛を紡げないけど
その先に何もないなんて
何色にも染められないなんて
うそだよ

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